2013年8月8日木曜日

ティファニーとビアズリー

8月も一週間が過ぎましたが暑さもまだまだ厳しいですね。緑はより一層力強く成長し、太陽の光を充分跳ね返すだけの力を蓄えているようです。蝉はこぞって鳴き交わし、その声の合間合間をアゲハチョウの美しい羽が縫っていきます。時折顔をみせるトンボの細い身体に秋の気配を感じたりしながら、いっぱいに日差しを吸い込んだ野菜や果実を毎日頂けるのはとても嬉しいことですね。


先日、何年ぶりかに百貨店内のティファニーを母と覗いたのですがやはりとても美しくて上品で、見ていてふんわりと優しい気分になりました。しかしあのエメラルドグリーンのような色をみただけで大抵のひとがティファニーとわかるのだから、すごいことだなと思います。色だけでブランドが想像されるって、ティファニーくらいのものじゃないかしら…

それからふとまた、ビアズリーの絵とティファニーが一緒になったらとても素敵なんじゃないかなと考えていました。ビアズリーの描いたサロメの首にティファニーのネックレスがかかっている、ティファニーの優しくて純粋な美しさと、ビアズリーの死を感じさせる退廃的な美しさがどんな風に合わさるのか、とても見てみたい!オフィーリアの死もそうですが、純なものの死、それもやや狂気じみた死というのは心の筐底からなにかが湧き上がるような、ぞくぞくとした恐ろしさと艶やかさを感じずにはおれません。なのでビアズリーやアラステア、ハリークラークなどの絵はわたしにとってかなり興味深く好きなのでした。あ、でもルノワールやピカソ、レンブラントにゴッホ、モネ、ミレー、ミロ、あとマン・レイなんかも勿論好きです!

…ビアズリーの画集とか、もう洋書でしかないし取り寄せもできなかったりするから困る…( ; ; )あと買ってすぐ使ってみようとしたら色が全く出なかったマーカー、交換しにいかなきゃなあ…


先日、チェコで活躍している友人と2年半ぶりに会って話をしました。中学の頃からの知り合いだからもうかれこれ10年来。良い意味で全く変わらない彼に会う度安心しつつ、彼の博識と音楽に対する姿勢にいつもいつも驚かされ、自分のさかしらを恥ずかしく思うのです。彼に負けないように、わたしも頑張らなければ。


もっと強くしなやかになっていけたら、稲穂のように鳥の翼のように、花を咲かす枝枝のように実らせる樹木のように、雲を撫ぜる風のように凪ぐ海のように、でもわたし自身を殺さないようにしながらすべてのものに尊敬をもって接していけるように、そんな理想論を恥ずかしげもなく言えてしまえるほど、今日はすこし健やかな気分なのでした。
写真はビアズリー。
星野沙織
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