2013年8月14日水曜日

構成としての生

先日、ドイツの現代写真家であるアンドレアス・グルスキーさんの個展を拝見するために国立新美術館へ行ってまいりました。海外で、ことアメリカやドイツなどでは幾たびも個展を開いていたグルスキーさんですが、日本での個展は今回が初ということで彼の代表作が惜しげもなく何点も展示されておりました。なんと贅沢な!

とはいえ、わたしはこの展示までグルスキーさんのことを全く知りませんでした。チラシなどの写真を見てもなんとなくピンとこないといいますか、印象派絵画のほうが美しいなあなんて思っていたのです。

しかし、実際目の前いっぱいに広がる牧場の、牛たちの自由ながら美しく配置されているーそれは意図としてそこに置かれているわけではないはずで、またどの牛が座ってどの牛が立っているなども指示出来るはずも無いのですーさまや、アパルトメントの色とりどりの窓にカーテン、場合によってはカメラのほうを覗くような視線の住人、モノクロに色彩調整されたカテドラルの、そこから漏れる透明で粛々とした光が映し出す細かな埃など、その作品たちひとつひとつを見ているうちに、何時の間にかわたしの中にある時間軸は失われ、それにより空いたスペースにただ新鮮で美しいそれらの写真をしまい込むのに必死になっていました。こと証券取引所でやりあう多くの人々や、メーデーで集まった群衆の、丘のような様相は、人間がこの世界や社会や仕組みの中で、その仕組みを動かし支配している側ではなく、動かされ支配されているひとつの構成物質となっているように感じられてとても新鮮且つ新たな気持ちを感じられたことへの喜びを得ることが出来ました。

いままでグルスキーさんのことを知らなかったのがもったいないです。そして、もしまだご覧になったことがない方がいらっしゃったら是非足をお運びくださいませ。

http://gursky.jp/


グルスキーさんの個展に行く前に、ちょっと腹ごしらえ、ということでランチを頂きました。レスプリ・ミタニさんというお店。普段はジビエが充実しているようなのですが、時期的にいまはジビエではないのでバスク風オムレツや羊肉などを頂きました。ボリュームありすぎて、ぱんぱんになってしまいましたが、どうやら夜はもっと凄いボリュームだそうで…わ、わたしまだ修行が足らないようです^^;笑

お店の近くにはワインのお店もあって、試飲などをさせていただいちゃったり。ミタニでは昼間からシャンパンを飲んじゃったりして、もうなんていうかとってもリフレッシュした一日でした。音楽も好きだけど、やはりわたし、絵画や写真が好きだなあ!

本日はチャリティ演奏。いってまいります。

星野沙織
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